月とタバコ

本の感想とかもろもろ

10冊目 未必のマクベス

ハヤカワ文庫で刊行されている、早瀬耕さんの「未必のマクベス」を読みました。ハヤカワ文庫ってSFのイメージしかなかったから、読んでいる途中から「これはSF?というよりハードボイルド?社会小説?」というほど、SF感は無し。そのおかげというか、SFへの抵抗感が多かった自分にとっては、すらすらと約600ページを読み終えてしまったところ。

 

お話は、順調に出征街道まっしぐらの主人公中井が、出世コースからどうやら左遷および会社の裏側を知る側にになってしまい、会社から秘密裏に命を狙われていくことになるという。そして、そのキーパーソンが20年前に恋をした同級生。恋もキャリアもキーは彼女という。まさかなお話。

 

主人公の中井が自分の金に物を言わせてガンガンできることやっているさまが潔い感じで好き。その一方で圧倒的に喰えないやつで、冷血漢という言葉が似あうくらい冷静で少し怖い感じ。キーとなる彼女がどのように出てくるのかを楽しみつつ、読み進めていく感じだろうか。主人公の進退についてはあらかた予想通りという印象。

 

読んでて感じたのが、私もサラリーマンですが、サラリーマンが好きな小説かもしれない。仕事はできて、女性にはモテて、ドレスコードもしっかりしていて、頭のキレもなかなか。少し抜けている部分があって、それは一つのスキとして長所になる。できる男の見本みたいな話で、たぶんあこがれる人は多い思う。日経新聞のレビューとかにも載ったみたいだから、そういう人は好きなんだろうな。

 

1回読めば個人的には十分。面白かったけれど。

 

 

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)